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「お春ちゃん、あんた天下一の幸せ者じゃないか」
幼なじみのお清ちゃんは泥だらけの手を川で洗いながら言った。
青い空の下、昨日まで降っていた雨のせいで水かさは多く、土の色をしている。
けれどどんな水でも泥を洗わないよりはマシだ。
昨日まで雨が嘘のような晴天。
しかしあたしの心は晴れない。
「あたしはあんたのように浮かれた気分にはなれないよ」
そう呟いて足を流れに浮かべた。
話は昨日に遡る。
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