心臓

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その暗い考えを打ち消そうと、政宗様があたしのところに来てくれることを想像した。 何度も。 何度も。 しかし、それは幻の中でだけのことで、あの襖が開くことはなかった。 今、加代の言葉を聞いたあたしの心は、もう政宗様が現れる夢など見せてはくれない。 ただそこにはあたしの骨が荒れ野に晒されている。
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