130人が本棚に入れています
本棚に追加
/64ページ
優しげに見える目元から目が離せない。
何も考えず数秒、
立ちすくむ私を見ていた彼が少し口角を上げ、
こちらに向かって一歩踏み出した。
我に返った私は一気に振り返った弾みに
平置きしている本に太股をぶつけ、
本がガサッと束で落ちてしまった。
あぁ~やっちゃったぁ
「大丈夫?」
一緒に本を拾い集めてくれる彼がいる。
焦りと恥ずしさで顔が上げれない。
「その本いいよねぇ?!」
「えぇ?この本?」
並べようと抱えていた本に目を落とす。
『さやかの初めての夏』って……
これから始まる冬に不釣り合いな水着姿のおねぇさん?…
最初のコメントを投稿しよう!