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「ささ、家に着きましたよ。あがってください。居間は玄関を入って左です。座布団を用意してあるので座って待っていてください、。私はお茶を入れてきますので」
そう言うと白川さんは家の奥へと消えていった。
私達は白川さんに言われたとおりに座布団に座り白川さんを待った。
少しすると白川さんがお茶を持ってきてくれた。自分も座布団に座るとお茶を私達の前に置いてくれた。
香野が白川さんにたずねた。
「白川さんは一人暮らしなのですか?」
「ええ、5年前に妻が他界してから一人暮らしなのです」
「いろいろと大変でしょう」
「まあ、大変な事もありますが、もう慣れてしまいましたよ。それに村の皆が家族みたいな存在ですからね、困った事があれば助けたり助けられたりです。おかげでなんとかやっていけているのです」
「なるほど」
香野はいただきますと言ってお茶を飲むと、白川さんに例の事をたずねた。
「定男さんの事なのですが、白川さんいがいに定男さんを見た人はいないのですか?」
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