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白川さんはお茶をすすってから話した。
「定男君を見たという噂はまったく聞いてないですからね、おそらく定男君を見たのは私だけなのでしょう。もしかしたら他にも見た人がいるのかもしれませんが、誰にも言わずに黙っているのかもしれませんし」
「確かにその可能性はありますね。
そうだそうだ白川さん。約束どおり私達が探偵である事は誰にも言ってはいないですよね?」
「もちろんですとも。私はこう見えても口はかたいんです」
「ありがとうございます。白川さんの安否の事もありますからね、今回は探偵という身分を隠して、慎重にいかねばならないのです」
白川さんが険しい顔になって言った。
「定男君の安否ですと?定男君は今危険にさらされていると言うのですか?」
「少なからず安全ではないでしょうね。だから皆の前に出てこないのです。いや、もしかしたら出てこれないのかもしれません」
「なぜ、出てこれないのですか?」
「それは調べてみない事にはなんとも。とにかく定男さんを探してみようじゃないですか」
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