第1話

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でも、世間ってのはそう上手くできてないわけで 「ボロ家をボロ家って言って何が悪いの?」 と、川田 真由は自信もって言った。 (うわ~、そうきたか) 遠い目をして、この夫婦から目を話す。 「だいたい、あなたは私達が引き取るのよ。文句なんて言わせないわよ」 (あぁ~、なんかここにいた方がまだ安心のような気がしてきた) そして、私は何も言えずのままこの家(ボロ家)から離れていった。 17年間、母と暮らした家から離れるのは寂しいものだと思った。 (さよなら。母さん。私は旅路に出ます) と、私は家に手を合わせ、川田夫妻の車に無理矢理乗せられ去って行った。
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