第1話

14/16
前へ
/151ページ
次へ
「違うわ。どっか物置で使ってない部屋があったから、そこにするわ」 (うわっ…なんか扱いが…これなら、向こうの家にいた方が楽だ) と、思った私はそれを優しく川田夫妻に言うと、ものすっごい顔で睨んできた。 「私だってそうしたいわよ。でも、世間ってのはそう上手くいかないのよ」 と、逆ギレというか怒鳴ってきた。 「姉の遺言でね。仕方がないのよ。さぁ、部屋を案内するから付いてきて」 (母さん、なんで遺言なんか残すんですかぁ) 私は、心中泣きたくてたまらなくなった。 なぜ、私の親は遺言なんて残すのか…。 私の母の行動は、謎である。
/151ページ

最初のコメントを投稿しよう!

101人が本棚に入れています
本棚に追加