第1話

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そして、案内された部屋は階段を上って奥の扉だった。 部屋の中に入ると、いかにも物置というぐらいのホコリだらけの六畳間。 それに加え、クモの巣。 前の家とさほど変わらないと思った。 「さっ、この部屋があなたの部屋よ。いらない部屋だから好きにしてちょうだい」 そう言いながら、私のそばから離れ、階段を降りていった。 「いらない部屋ねぇ」 私は、日差しが入る窓を開け、古い机の上にリュックを置いた。 「けほっけほっ」 いきなり風が入りホコリが舞う。そのホコリにむせながら手であおぐ。
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