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日曜日だと言うのに,
会社に向かう私。
失恋した今の私には,
本当に仕事しかないのだ。
高いヒールをカツカツと響かせ,
人込みの中を急ぎ足で歩く。
ドンッ
「キャッ‥」
いきなり後ろから人がぶつかって来て,
私は前かがみに転んだ。
その人は急いでいるのか,
謝りもしないで足早に去って行く。
「痛‥」
落ちた書類を一枚一枚拾いながら,
昨日から堪えていた涙がついに零れ落ちた。
「大丈夫ですか?」
こんな人込みの中でしゃがみこんでいる私を,
皆迷惑そうに避けて通る。
そんな中,
頭上から優しい声が聞こえた。
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