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「やだ!お父さんやめてよっ!」
ガッシャーン!
「うるせー!お前が生まれてきたせいで、俺の人生狂ったんだ!返せよ!俺の人生返してくれよ!」
薄い壁のボロいアパートから、男の声と、それに怯える少女の声が鳴り響く。
少女は、床に散らかったご飯のおかずと割れた皿を、泣きながら拾った。
ガラスの破片で切れた傷に涙が落ちて、心にまで傷みが染みわたる。
「私も、生まれてきたくなかったよ…。」
美しい香の子は
そう呟き、涙した…。
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