居候

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いくら温厚な俺でもキレた 『毎日毎日あんな仕打ち受けてたら誰だってそう思うっぺ‼ 思わない奴なんか居ないっぺ‼』 手当たり次第岩上に物を投げつける 『解んないっぺよ やってもないのになんで最初から諦めるんだっぺ やってみねぇと解んないっぺよ なのに、死んで現実から逃げるんだっぺな』 馬鹿にしたように岩上は笑い出す 『何がおかしいんだっぺ そんなのやんなくても解るコトだっぺよ』 また滲み出す涙 流れた一筋の涙を岩上の長い指が拭き取った 『人間は計り知れない才能を秘めている 自分ではそれに気付かない それは近過ぎるが故に 若しくは気付こうとしていないのかもしれない』 真面目な顔で語る 『才能は誰しも持っている 只それが役に立たないだけかもしれない それに気付くには他の誰でもない自分なのだ やってみないと未来は変わらない それがもし悪かろうが良かろうが 未来を変えられるのだ』 なんかの本から抜粋して語ってる様にしか思えない… 『まぁ、簡単に言えば何事もやってみねぇとわかんねんだっぺよ 決断により考えてた未来と逆のコトが起きるかもしんねぇし』 なんか岩上の話を聞いてるとコイツが本当に死神なのかうかがわしく思えてきた すると岩上は 『死神だって言ってっぺ‼』 と睨んできた …あっそっか… 口に出さなくてもコイツはなんでもお見通しなんだ… …お見通し??… じゃあコイツもしかしたら… 『もしかしたらなんだっぺ』 ジロリとまた睨む岩上 『俺の未来が見えるんだっぺか??』 俺がそう言うと 岩上は高笑いし 『そんなんお伽噺じゃあんめぇ』 『…そぅだよな しかも死神だから寿命とかしか解んないっぺよな』
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