一章

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――――式視点 少女の線にナイフを振り下ろす。 が、寸前で止める。 嘆息してナイフをしまう。同時に眼も押さえ込む。 少女が目を開ける。何時まで経っても痛みも何も来ないことに疑問を抱いたのだろう。 「お前、情けでもかけたつもりか?」 少女は私を憎々しげに睨み付ける。 「止めた、白けた。今のお前は殺す価値すらない」 「んだと、てめぇ……!」 少女は怒りを顕にして、立ち上がろうとする。 が、立ち上がれない。 大方、恐怖で腰が抜けたのだろう。 そう解釈する。
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