間章 その頃の鮮花

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まさか、外=事務所に誰も居ない!? 万年金欠の我が師匠は基本、依頼が無ければ此所から動く事は無い。 今日は依頼も無く、実に暇な筈なのだが、気紛れで出掛けてしまったようだ。 「橙子さーん!こういう時に限って気紛れ起こさないで下さいよー!」 先程よりも強く、速く壁を叩く。 音がべしべしからガンガンに変わっている。ついでに叩いている腕が痛くなっているが知った事か。 奮闘する事多分数分かその辺。(多分の理由は時間感覚がおかしいから) だーれも居ない訳ですよ。 「こんな所で永久の眠りに着くのはイヤー!」 「鮮花?」 いい加減諦めが私の胸中を支配し始めた時、遂に天からの助けが舞い降りた。
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