第二章【三巴炎と水獣の村】

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「え??なんで?」  僕の口からつい出てしまった一言にルビィは焦燥の表情を浮かべる。僕は後悔した。どうやら聞いてはいけなかった事らしい。 「それは―――」 「言わなくていい……ルビィ」  ルビィが何か話そうとしたが、今まで黙っていた緋色がそれを制した。 「しかし緋色様。茜さんにはお教えした方が――」 「あの事を話すと“紅”(クレナイ)の事まで話さなくてはいけなくなる。じきに紅は目覚める――その時を待て」 「はい……」  あの事??紅?  僕は聞いた事のない単語に首を傾げる。  やっぱりルビィさんには秘密がある……初めて会った時から不思議な雰囲気の人だったけど――だいたい、お師さんとはどういう関係なんだろう??  僕が気になっているもう一つの事がこれだ。  ルビィと緋色の関係。
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