靈造師HERO

第一章【紅炎との出会い】

【神々と、精霊と、炎の契約に基づき、血の盟約に従いし、我“鬼灯緋色”（ｷﾄｳﾋｲﾛ）の崇高なる下僕よ……今こそ深き闇より蘇らん――】
　緋色の身体から赤い火花が飛び散り始め口から白い煙のようなモノが出てくる。

「目覚めよ……我が忠実なる犬“血姫”（ｹｯｷ）!!」
　そう叫ぶと同時に白い煙のようなﾓﾉが一気に一つに固まり次の瞬間、その場所には化け物より一回り小さい巨大な赤い毛並みの犬が居た。
「なんで…いきなり犬が?」
　僕の驚きはそれだけでは終わらない。
【笑止な。我が主に勝てるとでも思うておるのか？下等な獣風情が……】
　その赤い犬はしゃべったのだ。間違いなく人の言葉で。