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彼と出会った翌日、奈美は近くのコンビニに向かった。
目的は仕事を探すこと。
フリーの仕事情報誌を探しているのだ。
手に職をつけなければ生きていけない。
それはこの世の定めだ。
以前働いていたレストランも今思えば辞めたのは失敗だった。
『私は弱い人間だ』
奈美は自分に言い聞かせた。
フリーペーパーを手にし店を出ると、バイクで帰路を走った。
家に着くと小さなテーブルに冊子を投げ捨て床に寝転がった。
彼女の脳裏に彼の姿がちらついた。
今どこにいるんだろう。
連絡先を聞いておけば良かった、と後悔する自分がいた。
彼になら何でも打ち明けることができる、そんな気がした。
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