第一章 第一話

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「ぐう~」 春の暖かさと、心地よい風がふく金曜、最後の授業。 「くか~」 誰だって寝ちまうよな。しかも社会だぞ。だから、俺、南野 翔は寝る。 「起きろぉ~!!」 甲高い女の先生の声が教室に響き渡る。 オイオイ、前の奴等耳塞いでるぞ。 「特に、南野!!次寝てたら、課題増やすわよ!!」 「はい!」 さてと、寝るか。 ツンツンツンツン 隣の席の女子が指でツンツンしてくる。 小声で話かけてみる 「なに?」 「よく寝てたね」 髪を短く切った、おとなしい、女子。 水原 優だ 二年になってから話すようになった。 最初は幼なじみが親友だと言って紹介したのが始まりだ。 笑顔が可愛い、凄く可愛い。 「水原は眠くならないのか?」 「私はあまり…」 「そうか」 水原はかなり頭がいい。 学年トップを狙えるレベルだ。 「寝てたら授業、解んなくなるよ。」 「そうなったら、おしえてくれ。」 水原は頬を赤らめながら 「べつにいいけど…」 と言ってくれたのだが、 何故、頬が赤い?今日は暑くないし、顔がやけたわけでも無いだろう。まさか、熱か?いや元気そうだな。
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