第一章 第一話

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先生の長々とした話は聴かずにさっさと帰る準備をしていたら、 「あっつ!!!」 右手に焼き印を押された(押されたこと無いけど)様に熱く、痛かった。 「どうしました?南野君。」 「……なんでもないです」 先生に言う程の事ではないだろう。 「そうですか。」 何故か、右手に変な印が付いている。 なんだろう? ホームルーム後、真っ先に水原に話しかけられた。 「さ、さっき熱いって言ってたけど、大丈夫?」 心配してくれたのか? 「大丈夫だ。変な印が付いてたけど…」 「見せて!!」 どうぞと見せると、 「何これ?」 「わからんが大丈夫だろう、多分。」 「本当?」 かなり心配そうだ。 「大丈夫だから、心配するな。」 「わかった、痛くなったら言ってね?」 「おう!」 納得してくれた、かな? しかし、心配してくれるなんて、嬉しいじゃないか。 少し申し訳ないけど。 学校から出るとき、 「明日はどうするの!?」 亜美が、欲しい物を買ってもらった子供みたいに興奮しながら叫んだ。
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