1.ブロローグ

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 暗い闇の中、一人の女性がうずくまっている。 「イヤよ…‥イヤァ―――!」  悲鳴が闇に響いた。 「お母さん」  三才位の子供が女性に近寄って行く。女性は嫌悪感のにじむ顔で子供を見下ろす。 「あっちへ行って!」  子供は泣きながら男性の元へ行く。 「お父さん」  男性は子供を睨みつけ、 「お前など、私の子じゃない」 そう吐き捨て、去って行く。  子供はその場で座りこみ泣いている。  しばらくすると、一才位の男の子が、泣いてる子供の元に来た。 「のぞむ?」  子供は涙を拭い、男の子に笑いかけた。子供が男の子を撫でようとした瞬間、 「触らないで!」  女性が男の子を抱き上げ、男性が子供を突き飛ばした。 「のぞむ~」  女性と男性は笑いながら男の子をあやしている。子供はその様子を、少し離れた所から見ていた。  中学生になった子供に、スーツ姿の男が話しかける。 「君も知ってる通り、君の本当の父親は彼です。彼は君を手元で育てたいと言っています」  うつ向き思い詰めた表情の子供は、唇を噛み締め頷きました。 「分かりました…‥」 .
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