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「リューディア、結界を解いて下さい」
「わかったわ」
セリナが状況を理解したと表情から察したハイネはリューディアに指示を出す。
結界が解かれた瞬間、水晶が砕け散り、破片が人型に集まり、次の瞬間、人の姿を成した。
「…ふぅぅぅ…」
男の髪は、水晶の中にいた時とは違い紫から血のように赤黒く染まり、黒い外套を纏っている。
「……フゥゥ…ヤット目覚メラレタナ…」
そして男からはおぞましい殺気とくすんだ魔力が流れ出し、アイラとセリナは下唇を噛みながら武器をギュッと握る。
「《Accra》…"シン"はどうしたんですか…?」
ハイネは《Accra》を睨みながら言い、《Accra》は俯いて肩を震わせる。
「…ク…ククク…クハハハハハ!!シンだと?ククク…奴の魂は存外しつこくてな…今はじっくりじっくりじっくりじっくりじっくり…魂を闇に喰わせているところだ…」
《Accra》は壊れたように笑い、狂った眼でアイラとセリナを見つめる。
「ほぅら…貴様等の大事なご主人様はもう限界だぞ?どうにかしたらどうだ?できるならな…!
この肉体はまだシンの物…この肉体を滅せばシンも死ぬぞ」
《Accra》はニヤニヤと笑いながら言うが、ハイネが冷たい笑みを浮かべて発した言葉に固まることになる。
「…魂を浄化する魔術、法術が…いや、魔法がないとでも?」
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