第6章『魔王と英雄と過去』

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剣技(月の章)…」 ハイネは再び朱刀に白光を纏わせ、朱刀を下段に構える。 「ガァァァ!!」 対する《Accra》も大蛇の姿から人型に姿を変え、右腕を赤黒い剣に変えて構える。 「…《始まりの三日月》…」 「死ねぇェェ!!」 ハイネは下段から朱刀を斜めに振り上げ、《Accra》は剣と成った右腕を振り下ろす。 ズバン!!という音と共に、朱刀から放たれた三日月の斬撃が《Accra》の右腕を斬り落とした。 そして次の瞬間、ハイネは地を蹴り、翼を上手く使って反転、《Accra》の背後を取る。 「《必滅の半月》!」 放たれたのは幾重にも重なった斬撃の嵐。 「な…めるなぁぁぁ!!」 体を半月の如く抉られながらも《Accra》は左脚だけで飛び退き、瞬時に体を再生する。 「…我が命は12!彼の伝説の英雄が成し遂げた十二の難行の証を其の身に宿す影の魔王!!残り十一の命、全てを捧げ、ここに獄界の裁きをォォォ!!」 「黒魔法…『全テ乖離ス暗黒ノ帷(スベテカイリスアンコクノトバリ)』…!」 《Accra》が自身の命全てを捧げ、冥界に呼びかけた瞬間、ハイネの冷たい声が響き、ハイネと《Accra》のいる空間が万物から断絶される。 「…終わりだ《Accra》…貴様では俺には勝てん。全てを捨て、"人神"となった俺にはな…」 ハイネは静かにそう言うと、朱刀を中段に構える。 「一つ飛ばすか… 《終演の新月》…」 .
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