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「リューディア、この世界の歴史の記憶は渡したな?」
学園の寮に直接転移してきたハイネはリューディアに問い、リューディアは無言で首を縦に振る。
「それは俺の『記憶』…つまり書物などに残っている物を俺が"記憶"したもの」
ハイネの瞳が…左眼の瞳の色は消え、全体が白に染まる。
「そしてこれが…」
ハイネが言葉を紡ぐごとに周りが白に染まり始める。
「調停者として、俺の脳に焼き付けられた『記録』だ」
「…これは…」
ハイネの言葉の終わりと共にリューディアの視界全てが白に染まり、周りに映像のようなモノが断続的に現れ、消える。
「今お前が観ているのは今から数百年前の、【世界崩壊】の瞬間だ」
ハイネの言葉にリューディアが周りを見回すと、見えたのは地が捲れ、雷に人々が穿たれ、水が建造物をなぎ倒し、炎が森林を焼き、氷が海を凍らせ、風は凶風となって触れたモノを断つ、という映像だ。
「ハイネ…コレは本当にあった現象なの…!?」
リューディアは自身が観ている映像が信じられないかのように眼を見開き、呆然とソレを眺める。
「…あぁ。確かに世界は一度滅びた…」
その言葉と共に視界の映像と白が消え、寮の部屋とハイネがリューディアの眼に映る。
リューディアが視たハイネの表情はどこか悲しげで、どこか怒りを感じているように見えた。
「たった…数百年前にな」
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