第7章『実力と疑惑』

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「あぁ~~~!タリィ~」 「…今回ばかりは同意だよ」 炎天下、学園のグラウンドにて、右手で太陽光を遮ろうとする影が二つ。ラルフとアルだ。 「な~んで俺ら二人だけ罰則なんだよ~」 何故ラルフがこんなことを言っているかというと……少し時を遡ってみよう。 ーー約三十分前、学園の食堂にてーー 「ハイネ=アーデンベルク、俺と勝負しろ」 事の起こりは昼休み中。 ラルフらと食堂にて食事をしていたハイネの前にルーカスが現れ、そんなことを言い出した。 「勝負…ですか?」 「ああ。授業では一度もできそうにない。だから今日俺と勝負しろ」 「…構いませんよ。放課後で宜しいですか?」 「あぁ。第三闘技場に来い」 ルーカスはそれだけ伝えるときびすを返して去り、ラルフがハイネに詰め寄る。 「ハイネ!何でアイツの決闘に応じたんだ!?アイツは王族だし、クラスでも飛び抜けた実力者だぞ!?」 「だからこそです。彼は何か迷っているような目をしていました…。それを確かめに行くだけですよ」 ハイネはゆっくりとした口調と動作でラルフをどけ、食器の乗ったトレーをもって立ち上がる。 「では、次は闘技授業ですから遅れないように気をつけて下さい」 では、とハイネは言い括ると、スタスタと先に歩いていき、ミーシャはハイネの行動に首を傾げる。 「珍しいな。いつもは無言でみんなを待つのに…」 そう言っていると、ミーシャは何かに気づいたように立ち上がり、それを見たニルもいそいそとトレーを持って歩いていった。 「…?あいつらもじゃねぇか…なぁ?ってあれ?」 ラルフは未だ残る昼食を見ながらフィンとアルに問いかけるが、フィンとアルも既に食べ終わっており、トレーを持って歩いていってしまっていた。 「お、おい待て…ーげふっ!!?」
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