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「まったく…騒がしいから来てみれば…」
アランは自身の髪をガリガリと掻きながら溜め息を吐き、四人を睨む。
「…ッ…!?」
ただ睨まれた。ただそれだけで四人は体を何かで押さえつけられているかのように硬直し、冷や汗を流す。
「アルフレート、ラルフ、セインス、リアナ…だったか…お前ら、とりあえず魔力抑えろ。んでラルフ、お前はさっさと魔武器しまえ。」
「「は…はいっ!!!」」
四人は名前を覚えられていたことに驚きながらも、直ぐに魔力を抑え、ラルフは魔武器を消した。
「はぁ…しゃあねぇ、言い訳は後で聞く。とりあえずついてこい」
アランはそんな四人を見ながらもう一度溜め息を吐き、きびすを返して歩いていき、四人は慌ててその後を追っていった。
そして場面は戻り、グランドにて。
ーーーー
「…おらお前ら~さっさと走れ~」
炎天下、肌を焼くが如く照りつける太陽の元、アランは氷魔術で作り出した椅子に座り、気だるそうに、走っているラルフとアルに声をかける。
「何で俺たちだけ走らされるんですかぁぁ!?しかも魔術なしで…」
「セインスとリアナには別の罰則を課したからな~
お前らは走っとけ走っとけ~」
…何ともやる気の無さそうな口調でラルフにそう返すアランに内心かなり大きな溜め息を吐きながらも、ラルフとアルは黙って走っている。
因みに今は授業中であり、二人とアランは、他に授業を受けている上級生に奇異の目を向けられているが、ラルフとアルはまったく気づく様子もなく、汗だくになって走っていた。
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