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そして数十分後、ラルフとアルは荒い息を整えながらグランドの隅、数本の木の木陰で
寝転んでいた。
「はぁ…はぁ…あぁ~~!しんど~!」
「ふぅ…ふぅ…限界…」
ラルフは疲労感に苛まれながらも叫び、アルは目蓋を閉じながら息を整えていた。
「てか授業終わってんのに走らせるかふつー…」
「ほんとだよ・・・」
「お疲れ様です」
ぶつぶつと文句を溢すラルフとアルの下にハイネが現れ、二人にタオルと飲み物を手渡す。
「お、サンキュ」
「ありがと」
「いえいえ。それよりも、次で午後の授業も終わりですから出た方がいいですよ」
ハイネはそう言いながらラルフとアルを軽々と立たせ、では、と背を向ける。
「あ、因みに次の授業はレイソル教諭の魔術、法術陣学の時間ですから遅刻はしないようにした方がよろしいかと」
「「何ィ!?」」
ハイネはくつくつと笑うとゆっくりと歩いていき、ラルフとアルは疲れた体に鞭を打ちながらハイネよりさらにゆっくりと歩き出す。
「…よりにもよってレイソル先生か…」
「前遅刻したらその時間全部当てられたんだぜ…急がねぇと」
ラルフとアルは冷や汗を流しながら足を引きずるように歩いていくが、授業まで後数分しかないことに気づいてはいなかった…。
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