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ビュン!!と風を切る音と共に先手を取ったのは《ディル・スティグマ》だった。
一撃必殺。
当たれば間違いなく命を削り取られるであろうその一撃一撃にルーカスという少年の存在ーイノチーを抉り取ろうという殺意ーオモイーが込められており、たった3合…三回打ち合っただけでルーカスの顔には大量の大粒の汗が浮かび、圧されているのがわかる。
「どウシた…?殺シ合いハ初めテか…?」
《ディル・スティグマ》は鍔迫り合いになった状態のままルーカスに顔を近づけ、嘲るように呟く。
「うる…さい!!」
「おっト…」
ルーカスは意地だけで《ディル・スティグマ》を弾き、バルクに炎を纏わせ横凪ぎに斬りかかるが、《ディル・スティグマ》の腕に触れた瞬間、炎は掻き消え、驚愕する間もなく振るわれた腕を辛うじて防いだルーカスだったが、後方に大きく弾かれてしまう。
「忘れタか…?我のチカラを…」
紅はワラう
「ならバ思イ出せ」
既に右手は剣ではなく、さながらハルバードのような形状に変化していた。
「我が力は総て例外なく拒絶する鮮血の紅」
振るう。
未だに明確な殺意に圧されている目の前の餓鬼に向け
振るう。振るう。振るう。振るう。振るう。振るう。振るう。振るう。振るう。振るう。振るう。振るう。振るう…ーー
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