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「リュー」
『はいはーい』
ルーカスがゆっくりと仰向けに倒れたのを確認したハイネはリューディア(フェアリーテイルver.)を呼び出し、自身は傍らで固まっている5人の方を向き、手を叩く。
「さて、いい加減戻ってきなさい!」
手のひらを合わせたパン、という軽い音と共に五人に軽い重力を負荷する。
当然、体に力が入っていない状態で負荷をかけられると体制が崩れるわけで…ーー
「「ぐあっ!?」」
「く…!?」
「きゃ…!?」
「うっ…!?」
五人は多種多様な声を上げながら体制を崩し、ラルフ、フィンは床に倒れ、アル、ニル、ミーシャは寸前に手で体を支えていた。
「いきなり何すんだハイネ!?」
「いつまでも固まっているからです」
ハイネはくってかかってきたラルフを軽くあしらうと、リューディアに治療されているルーカスの下に向かって歩いていった。
「なぁ、やっぱハイネって…」
「あぁ、間違いねぇ」
ハイネが観客席から舞台へ降りていった後、ラルフとフィンが口を開く。
「「…筋金入りのドSだ…!!」」
「何を言ってるんだ…はぁ…」
そんな二人にため息をつきながらミーシャはハイネに視線を移す。
(それにしても…重複…結界…やっぱりただ者じゃなさそうだな…)
ミーシャはハイネに関してますます謎が深まるのを感じていた。
「まさか…な…」
その内ある予想に辿り着くが、そんなわけがない、とミーシャは頭を振って疑念と好奇心を払拭し、未だ何かを言い合っているラルフとフィンを黙らせに行った。
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