第1章『ある少女との邂逅』

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「…驚きすぎて言葉もでねぇよ」 アランは苦笑いしながら言い、ハイネはライアンを見る。 「…確かアランさんは今年で25でしたよね?なら教員として入るのですか?」 「そうじゃ。最も、アランにはギルドSランクと偽ってもらい、ハイネはBランクと偽ってもらうがの」 「わかりました。それで、いつから学園に行けばよいのですか?」 「今日から一週間後に入学式がある。ハイネはそれで学園に入学するのじゃ。 アランは明日には学園の長の所で教員の手続きじゃ」 「ちょっと待て、そんな簡単に教員になれんのか?」 アランがもっともな意見を言う。 「心配無用。あの学園の学園長とは知り合いじゃからの… さて、《黒白の調停者》ハイネ=アーデンベルク、《氷海の王者》アラン=フィールに命ずる。学園に入り、王子と王女を陰から守るのじゃ。期間は未定じゃが、長期であろう。気をつけてな…」 「「了解した(しました)」」 二人はすぐさま返事を返すと、再びフードを被って部屋を出た。 「それでは《氷海》さん、また一週間後に会いましょう」 ギルド本部の扉を開けた後、ハイネはそう言った。 「あぁ。またな《黒白》」 アランも軽く返事を返すと、二人はほぼ同時に転移魔法で消えた。
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