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「君たちが最後だな」
ギルドエルハ支部に転移してきたハイネ達の前にはギルドマスター、ロイが立っていた。
「お久しぶりです。バートンさん」
「ロイで良いぞハイネ君。
さて、今回に請けてもらう…いや、違うな。君たちには特殊な任務に"同伴"してもらう」
ハイネの挨拶に優しく応対したロイは固まっている五人ーー言わずともラルフ達であるーーを気にせずに言葉を紡ぐ。
「あ…あの」
「ん?何だ?」
おずおずと、ニルが手を挙げて声を出し、掠れるような声だが聞き逃さなかったロイは不思議そうな顔でニルに尋ねる。
「ギルドマスター…さん…が…今日…付いて…くれるん…ですか?」
「ああ。先ほど言った通り、今日君たちを連れて行く任務は特殊でな。私自ら行くことになった」
「特殊…か」
「兄様、何であろうと私達には関係ありません」
ルーカスはロイの言葉に怪訝な顔し、レーナの言葉にも曖昧に返事を返すのみだ。
「ははは。自信を持つのは構わないが、今回は君達は戦わない…というより危険だから見学してもらう」
ハイネを除く全員がロイの言葉に固まり、ギギギッ、と音が鳴りそうな程ゆっくりとロイを見つめる。
「…ということは、Sランクの任務…という訳ですか」
ハイネの言葉を肯定するようにロイは頷き、一枚の紙を八人に見えるように見せる。
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