第8章『二度目の任務と小さな守護者』

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【ベルグソン峡谷】ーー魔法学園【イルス】のある大陸【ズー】より南東に数百キロ。 砂漠、荒野が数多く存在する大陸ベルグソンにただ一つ存在する峡谷だ。 此処には人族、岩人族が谷の底に集落を造って生活しており、谷の底のため魔獣からの被害が比較的少ない地域なのだが、時々迷い込んだ魔獣の討伐依頼がギルドに舞い込むことがある。 「ーーーとまぁ、この位ですね」 ベルグソン峡谷。 その底に位置する集落の小さな宿にハイネ達はいた。 ロイはガルン、ゲイズを確認するために辺りを見回りに、それを待つ為にこの小さな木造の宿にハイネ達は待機していた。 「なぁハイネ。聞きたいんだが…」 ラルフがハイネの説明を聞き、皆が頷いている中気まずそうに口を開く。 「何でしょう?」 「あー…何だ。 …岩人族って…何だ?」 ーーピシリ、と空気が凍った。 勿論比喩に過ぎないのだが、ラルフは向けられる冷ややかな視線に後退りしてしまう。 「な…なんだよ」 「ラルフ…キミは授業を微塵も聞いていないのか?」 「いや、それ以前に多少有名な種族名位は普通知っているでしょ…」 ミーシャ、アルの順に肩を落としながらラルフに哀れみの目線を送る。 ハイネの説明を聞いていたルーカス、レーナすらも冷えた視線を送り、ニル、フィンも言葉には出さないものの、溜め息をついていた。 .
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