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そして一週間後、ハイネは学園に向かう為、入学式に向かうであろう学生を眺めながら歩いていた。
彼が着ているのは周りの学生が着ているのと同じ制服(と言っても学園指定の制服はローブとネクタイだけだが)であり、胸に特待生の記しであるマークが入っている。
(まさか学園に通うはめになるとは…少々予想外だ…口調に気をつけないとな…)
ハイネは心の中でそう呟くと、ふと立ち止まる。
「はぁ…何故あのような輩に絡まれるんでしょうか…どこぞの小説のようですね」
ハイネの視線の先には見るからに体のゴツい男が数人で一人の少女を囲んでいた。
少女が着ているのはハイネが着ている物と同じなので学園の生徒であることは間違いない。
見ていると、一人の男が逆上したのか、ナイフを取り出して少女を脅し始めた。
少女は俯いたまま動かない。
「さて、そろそろ行かなければ危ないですね…」
ハイネはヒュッ!という軽い音と共に姿を消し、瞬時に少女の前に立ちふさがった。
「誰だテメェ!!邪魔すんな!!」
「やれやれ…本当に小説のようですね…」
ハイネは軽く微笑みながら言い、ナイフを持った男を蹴り飛ばした。
「テメェやりやがったな!!」
それを見て男達は怒り、武器を出してハイネに襲いかかる。
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