第8章『二度目の任務と小さな守護者』

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「『浮風』!!」 チリチリと肌を焼くような熱気をその身に感じながらすぐさまジークフリートを地面から引き抜き、下方に風法術を放つ。 「吹き飛べ!『空崩撃』」 続けて跳びかかってきたファウストに圧縮した風を放ち、その反動で横に跳んだロイはファウストの包囲網から抜け出した。 「氷月、時間を稼いでくれ」 『了解した。『氷剣舞踏(織剣)』!』 ロイの言葉に瞬時に意図を察した氷月は自身の持つ能力の特性を操り、氷剣で壁を創り出す。 「これで…」      ※ 「ははははは!!おもしれェ!お前強ェじゃねェか!!」 戦闘開始から数分、次々と繰り出される剣戟を仮面の男は軽々といなし、時折短剣を投げ捨て、新しく創り出すーーそれを幾度も繰り返していたが、ハイネが唐突に後方に飛びのいたことによって中断される。 「来てしまいましたか…」 「ハイネ!!」 ハイネの呟きとほぼ同時にその場にラルフ達が到着する。 「あァ?なンだテメェら、邪魔すんじゃねェよ…」 ラルフ達が魔武器を構える隙すら与えずに男は音もなく接近し、短剣を振るうーーーが、それは唯一反応したルーカスに阻まれる。 「焼け『フレイム』!」 短剣を防いだルーカスはすぐさま詠唱を紡ぎ、轟々と燃え盛る火球を4つ放つ。 「はっ!!そのて……ッ!?」 その程度、と嘲ろうとした男の体は四方から伸びてきた銀色の紐に縛られる。 そして男が驚きに目を見開いた と同時、4つの火球が男に直撃する。 .
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