第8章『二度目の任務と小さな守護者』

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「ッ!!待て!」 ロイの制止の言葉も虚しく、道化師と復讐者は光に包まれ、その姿を消す。 「…っはぁぁ!!助かったぁ~」 「本気で駄目かと思ったよ…」 「一緒に戦えなくてすまないな…」 真っ先に言葉を発したのはラルフで、次いでアル、最後にミーシャである。ラルフとアル、ニルは緊張の糸が切れたように座り込み、ミーシャとフィンは自らの使い魔に謝罪をしていた。 「…ハイネ、お前…」 白桜を消し、静かに佇んでいたハイネに詰め寄るルーカス。 その瞳には憤りが渦巻いていた。 「何故、それだけの力がありながらAランクにいる?それに、俺と闘った時…あれは全力じゃなかったんだな?」 「…貴方と闘った時、確かに全力ではありませんでした。ですが、私がAランクであることに関係することではありません」 ルーカスの瞳を真っ直ぐに見つめながら、ハイネは機がなかっただけ、と曖昧な答えを返す。 「ッ…そんな答えで……!!」 「そこまでだ。誰にでも詮索されたくない事はあるものだ。それが、彼であってもな」 思わず激昂しかけたルーカスをロイが宥める。幸い、ルーカスとハイネのやりとりを聞いていたのはロイとレーナだけのようで、空気はあまり変わらなかったようだ。ラルフ達5人は殺気や威圧感など、慣れないものを浴びせかけられ続けていたため、解放感からか、穏やかに会話をしている。 「兎に角、宿へ戻ろう」 .
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