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「…ハイネ?」
「え?…あ、何ですか?」
ハイネにしては珍しく、少し動揺しながらミーシャに尋ね、ミーシャはそれを見て眉を顰める。
「…どうしたんだハイネ?さっきから何処かおかしいぞ?」
「いえ、大丈夫ですよ…。
少し気になることがあるだけですよ」
「気になること?」
今度は普段通り返すが、やはり違和感は拭えないようで、ミーシャは眉を顰めたままだ。
「ええ。ですが、ただの杞憂でしょう…」
「その疑問、聞かせてくれないか?」
窓の外を眺めるハイネに話しかけたのはルーカスだ。
「…おかしいと思いませんか?
ロイさんと私達が敵と戦闘になったそのたった数十分後に大量の魔獣が攻めてきた…あまりにも不自然、タイミングが良すぎる…。何か他の事から目を逸らさせる為では…と思ったんです」
淡々と語るハイネは誰にも気付かれない程一瞬、目つきを鋭くさせ、立ち上がった。
「どうした?」
ハイネの行動に疑問を持ったルーカスが尋ねると、御手洗いです、とハイネは返し、部屋を出て行った。
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