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ーー遥か昔、此の世界には神に匹敵する程の武器が数多く存在した。
それらを扱える者もまた、神に匹敵する程の力を内包した英雄であった。
そして英雄が担う武器は神の器を持つ武器、という意味で神器と呼ばれたーー
「神代の英雄エリンが携えし4つの秘宝…
一度鞘から放たれれば何者も逃れられない聖光を放つと言われる
不敗剣
一度振るえば穂先から何者をも永久凍土の如き氷の中に閉じ込める五つの閃光を放つという
雹凍神槍
身につければ神の加護が如き守護と共にどんな攻撃も付けた者から逸れていくという
運命石
そして…ーーー」
淡々と語るハイネの眼前ではその白髪を振り乱しながら膝を付くアイラがいた。
「ぐっ…はぁ…はぁ…」
身体の至る所に裂傷が走っているアイラの息は荒く、今にも倒れてしまいそうだ。
「魔力を蓄え、解き放てば魔力ある限り無尽蔵に魔術、法術を放つことができる4秘宝で最高峰の魔力攻撃力を持つ神器…
アナタに勝ち目はありませんよ。例えその"両目の封印"を解こうとも、ね」
余裕が伺える口調のハイネにアイラは内心舌打ちをしながらも確かに、と肯定している自分の中の憤然とした気持ちを抑え、転移魔術陣を展開する。
「…レイフに伝えておいて下さい。革命など起こさせない、一般市民に危害が及ぶようなら容赦はしない、と」
ハイネの言葉に反応を返さず転移魔術陣を発動させ、アイラは転移でその姿を消した。
「…!…どうやら、伝えて貰う手間が省けたようだな…
『転移』」
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