第8章『二度目の任務と小さな守護者』

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「我が敵を断て!! 『絶対無慈悲の撃光(ヴォンデル・エイム・ブレイティア)』ーー!!」 ーー音はなかった。それもその筈、彼の剣<ツルギ>から放たれるのは光なのだから、喩え魔力から生まれた光であろうとも光は進むのに音は立てない。 聞こえるのは衝撃で捲れる地の音のみ。 だからこそ、彼の声はその場に響いたーーーー 光に支配された平地に。 静かに、だが大きく。 黄金色の波動は空気を、地を、宙に舞う塵屑を、悉く焼き尽くし、消し去り突き進む。 しかし、黄金色の波動は彼、ハイネを呑み込む事無くハイネの目前で止まる。 「神器(スクレイド)ーーー覚醒(ダズ・ウォルゲン)……『吸収(アブソープション)』」 ーーー光が、黒の光が金光を吸い尽くしたーー。 .
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