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「調停者という存在?」
また新たに浮かび上がってきた疑問に、ロイは眉を顰めるが、ハイネはそこで首を横に振った。
「今のロイさんに、いや、Xランクでないものに話せるのは此処までなのです。調停者。この言葉の意味を知るには少し早い。ですが、貴方がXランクに上り詰めてきたのなら、その時はこの力に関しても、私の事に関しても、全てをお教えすると誓います」
ハイネの言葉に暫し目を閉じ、思考を巡らせていたロイだったが、直ぐに眼を開き、頷く。
「必ず、俺は君の居る高みに上り詰めて見せる。だから、それまで待っていてくれ」
それだけ言うとロイは足もとに幾何学模様、魔法陣を展開させ、転移で姿を消した。
「…この身体の時が止まるまでは、きっと……」
呟いた言葉はロイに向けてか。
願を謳うような口調で呟いたハイネは言葉を発することなく、転移でその姿を消した。
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