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「…いいですよ。では一緒に参りましょうか」
興味がわいた、という言葉に首を傾げていたが、ハイネはそう言ってミーシャに微笑みかける。
「…ッ…!」
ミーシャはそれを見て思わず顔を赤らめるが、直ぐに振り払ってハイネの隣に並んだ。
「行きましょう。そろそろ入学式が始まりそうですから」
ハイネとミーシャは並んで歩き出した。
「なぁハイネ」
「何でしょう?」
講堂に向かう途中、何気ない会話をしながら歩いているとミーシャがポツリと話し掛ける。
「その敬語、止めてくれないか?どうも話しにくいんだ」
「ふふっ…生憎コレは癖でしてね。気にしないで下さい」
「な、何で笑うんだ?」
「いえ…こんな平和な状況で女性と話すのは久しぶりなので、少し楽しいんですよ」
ハイネはクスクスと楽しそうに言うと、不意に立ち止まった。
「着きましたよ。講堂です」
ハイネはそう言うと講堂への巨大と言える扉を開く。
講堂は数千の生徒と数百の教員で埋め尽くされ、かなり広い筈の講堂が狭く感じる。
「凄い人だな…」
「ええ。今年の入学人数は2500人だそうです」
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