第9章『発現』

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--夜が明け、窓から差し込む光で意識が覚醒へと向かう。 ん、と小さな声を上げ、目を開ければ見慣れた天井がそこにあった。 「……朝、か…ふあぁ……」 眠たげな声と共に体を起こしたのは蒼い髪の少女、ニルだ。 「今日はいい天気……」 もぞもぞと布団から出たニルはん~、と伸びを一つ。目尻に少し欠伸による涙を浮かべながらゆっくりと着替え、10分ほどで簡単な朝食を済ませ、鏡の前に立つ。その手には髪留めが握られており、伸ばされた前髪の下の顔は緊張して強張っている。 「……よし…っ!」 ちょい、と前髪を分け、髪留めで留める。あまり瞳を見せられなかった彼女にとって、それは初めての経験で、髪の隙間から覗く蒼の瞳は不安に揺れていた。 (可愛くないって言われたら、立ち直れないかも) いつもと違い、緊張で鼓動を早める胸を押さえて深呼吸を一つ。よし、と小さく零したニルの脳内では、昨夜の出来事が鮮明に思い出されていた。 『自分の瞳が、何なのかを知った夜』のことが-- ----- 「アナタの魔眼。其の名は---」 『--はーいちょっと待った。それは私から説明させて貰うよー』 ハイネの言葉を遮ったその声は、確かにニルの口から発せられていた。 .
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