第9章『発現』

4/12
前へ
/202ページ
次へ
(スティグマ)……!?でもそれって……」 「そう。顕現した者に影響を与えるほど強い力を持つ(スティグマ)はこの世界には4つしか存在しません。では、稀に、ではありますが一般的にヒトの身体に現れる(スティグマ)、これは何故顕れると思いますか?」 痕という単語に反応したニルを見、ハイネが言葉を発する。 「ん…と……その人の御先祖さま…とかが……(スティグマ)を…使えた…から……?」 少し、思考を巡らせる様子を見せたニルは出した答えに自信がないのか、言葉の端を疑問形にしながらも口を開く。 『惜しいね~、答えば血゙だよニルちゃん。痕はソレの始祖…つまり最初に痕を発現させた者の血筋にしか発現しないんだ。 まぁ、それもヒト類が増え、血が薄まってしまった今では殆ど見ることはないけどね~』 けらけらと笑うように肩を揺らしながら『死神』は言う。 「血筋……」 どこか釈然としないまま、ハイネに視線を戻す。 「『シニガミ』さんの言うとおり、(スティグマ)の発現にば血゙というものが非常に大事な要因として存在します。そしてその血筋の太源、今現在存在するあらゆるヒト類の始祖こそが、(スティグマ)をその身に宿した最初の存在なんです」 .
/202ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3362人が本棚に入れています
本棚に追加