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「痕……!?でもそれって……」
「そう。顕現した者に影響を与えるほど強い力を持つ痕はこの世界には4つしか存在しません。では、稀に、ではありますが一般的にヒトの身体に現れる痕、これは何故顕れると思いますか?」
痕という単語に反応したニルを見、ハイネが言葉を発する。
「ん…と……その人の御先祖さま…とかが……痕を…使えた…から……?」
少し、思考を巡らせる様子を見せたニルは出した答えに自信がないのか、言葉の端を疑問形にしながらも口を開く。
『惜しいね~、答えば血゙だよニルちゃん。痕はソレの始祖…つまり最初に痕を発現させた者の血筋にしか発現しないんだ。
まぁ、それもヒト類が増え、血が薄まってしまった今では殆ど見ることはないけどね~』
けらけらと笑うように肩を揺らしながら『死神』は言う。
「血筋……」
どこか釈然としないまま、ハイネに視線を戻す。
「『シニガミ』さんの言うとおり、痕の発現にば血゙というものが非常に大事な要因として存在します。そしてその血筋の太源、今現在存在するあらゆるヒト類の始祖こそが、痕をその身に宿した最初の存在なんです」
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