3361人が本棚に入れています
本棚に追加
「どうして…」
知っているのか、という問いにハイネは自身の眼を差し、
「私も魔眼を持っていますから。気配でわかるのです」
その瞳を紅から銀に変化させる。
だがそれは一瞬のことで、ニルしか気づかなかった。
「…ハイネさんは…どうして…普段は魔眼…じゃないんですか?」
「ハイネでいいですよ。
私の場合、普段は魔眼は封印していますからわからないんです。良ければ貴女の魔眼も一時的に封印してさしあげますよ?」
「できるん…ですか…!?」
ハイネはその問いに、一枚の紙を懐から取り出し、魔力を込める。
「これを……」
「おいニル!こっちこい!」
ハイネがそれを持って説明しようとすると、ニルをラルフが呼ぶ。
「あ…うん…」
「この紙を持っていて下さい。一時的に魔眼の魔力のみですが抑えられるので」
申し訳なさそうにハイネを見たニルにハイネは早口で言うと、ニルに紙を渡す。
「あ…ありがとう…」
「本格的な封印はまたの機会で宜しいならまた今度してさしあげますよ」
ハイネはそれだけ言うと前を向き、目を閉じた。
(クロイツェル…ケイバルン…マキュリー…。ならばあそこにいる後二人は恐らくアイナスとセフリアか…)
最初のコメントを投稿しよう!