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「いつかは…話してくれるな?」
「ええ。いつかは」
そう言うとハイネは黙って水晶に魔力を注いだ。
「これは…」
水晶が染まったのは漆黒と純白。それはミーシャの時の白とは違い、染まったというよりはその空間が白と黒に変わってしまったような不思議な現象だ。
「黒と白…ということは闇と光、ですか…」
ハイネの静かな呟きでアニエスは我を取り戻したが、ミーシャたちは未だに固まっている。
「なるほど…希少な属性を二つ持つなら魔力の多さも納得ね…」
アニエスは一人納得したように頷き、ハイネから水晶を受け取ると
「さっき言ったように今日はこれで終わりだから早く寮に向かいなさい。鍵は寮の受付の人から受け取るといいわ」
そう言うと教室を出て行った。
「さぁ行きましょう。もうアニエス教諭は行かれましたよ」
ハイネはそう呼びかけたが、なかなか目覚めないので唯一反応したニルに行きましょう、と言って先に行ってしまった。
「あ、待てよ!」
ミーシャたちはラルフのその言葉で目を覚まし、急いでハイネを追った。
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