第3章『使い魔の意義』

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少しの間レーナとルーカスを見ていたハイネだったが、直ぐに視線を外すと魔石を見た。 「さて、私も作りましょうか…」 ハイネは静かに呟いたつもりだったが、その言葉にミーシャ達が一斉に自分を見たので少したじろいだ。 「何故そんなに好奇の視線をしているのですか?」 「「気になるから」」 ミーシャ達は声を揃えてそう言うと、ハイネが魔力を注ぐのを今か今かと待った。 「やりづらいですが仕方ないですね……」 そう呟いたハイネは頭の中で体中に仕込める暗器と純白の剣の二つを想像しながら魔力を注ぐ。 魔石が光を放ち、ハイネの体を完全に包み込んだ。 「…【無影(ムエイ)】【白桜(ハクオウ)】…」 本来なら一つの魔石から二つの武器は不可能なのだが、ハイネは凄まじい集中力で本来一つになるはずの存在を二つに分け、その内の半分を更に細かく分割して暗器と成した。 端から見ればハイネの手に柄から刃までが純白の剣が握られているようにしか見えない。 「綺麗な剣だな…」 ミーシャはハイネの剣を見て感嘆の声を漏らし、ハイネは直ぐに魔武器を消した。 「!…武器は何処へいったんだ!?」 いきなり消えた武器を不思議に思いながらハイネに尋ねる。 「魔武器は消えろ、と念じれば消すことができます。出すときは名前を呼べばいいだけですよ」
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