第3章『使い魔の意義』

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「ニルさん。お先に召喚してきては?」 「あ…うん…」 ハイネはそう言って未だ揉めている3人の元へ歩いていった。 「行ってこいニル」 「うん…」 ミーシャはどうしようか迷っていたニルの背を押し、召喚陣の上に立たせた。 「私と…一緒にいてくれる子…来て…『召喚』」 ニルの半ば呟きのような詠唱が終わると、召喚陣から蒼い光が迸り、ニルを包む。 光が収まり、ニルの姿が露わになると、ニルの腕の中で一匹の小さな竜が眠っているのが見えた。 「よろしくね……【ライク】」 そう言って竜の頭を優しく撫でる左手には契約印が現れ、契約が完了したようだ。 「ニル、その小さな竜は?」 「え?…あ、違うの…この子は…」 《お姉ちゃん、人を見かけで判断しちゃいけないよ~?僕は竜だけど》 ミーシャの問いにニルが答えようとするが、突然響いた声に遮られる。 《こう見えても僕は偉いんだぞ~》 「竜王の仔ですか…Sランクに近いAランクの召喚者ですね」 ミーシャは後ろから突然ハイネの声がしたのにも驚いたが、目の前にいる小さな竜が竜王の子供だということに絶句していた。
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