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空間を揺るがす程の魔力は鎖によって封じられているが、その身から発せられる殺気は凄まじいもので、ハイネすら頬に一筋の汗をかいていた。
「私…いや、俺はアンタをこの世界から救いにきた。アンタはここから出たいか?」
《世迷い言を……この鎖…は…魔と天の王によって創られた…絶対の呪縛…人間風情に解けるものか……》
声はあざ笑うかのように言うが、殺気は消えていない。
「もし壊せたならば、俺と一緒に来てくれるか?」
だがハイネは動じることなく言い、頬の汗もいつの間にか消えていた。
《…解けたなら…好きにするがいい……この髪の一片まで貴様にくれてやる…》
「そうか。なら…
好きにさせてもらおう。
『魔力制御第二位封印解除』」
ハイネの言葉と共に魔力が跳ね上がり、瞳が銀に変わった。
「原始の力…その身で感じろ
黒魔法……包め『ブラック……」
ハイネの右手から黒い光が迸り、鎖を包む。
《まさか…これは…》
「…ブレイク』」
ハイネの言葉と共に鎖が弾け、杭は崩れ去った。
ソレは崩れ落ちるように地に落ちるが、ハイネは瞬時にその下に移動し、ソレを優しく受け止める。
「女性だったとはな……白魔法…『レストレイション』」
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