第3章『使い魔の意義』

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空間を揺るがす程の魔力は鎖によって封じられているが、その身から発せられる殺気は凄まじいもので、ハイネすら頬に一筋の汗をかいていた。 「私…いや、俺はアンタをこの世界から救いにきた。アンタはここから出たいか?」 《世迷い言を……この鎖…は…魔と天の王によって創られた…絶対の呪縛…人間風情に解けるものか……》 声はあざ笑うかのように言うが、殺気は消えていない。 「もし壊せたならば、俺と一緒に来てくれるか?」 だがハイネは動じることなく言い、頬の汗もいつの間にか消えていた。 《…解けたなら…好きにするがいい……この髪の一片まで貴様にくれてやる…》 「そうか。なら… 好きにさせてもらおう。 『魔力制御第二位封印解除』」 ハイネの言葉と共に魔力が跳ね上がり、瞳が銀に変わった。 「原始の力…その身で感じろ 黒魔法……包め『ブラック……」 ハイネの右手から黒い光が迸り、鎖を包む。 《まさか…これは…》 「…ブレイク』」 ハイネの言葉と共に鎖が弾け、杭は崩れ去った。 ソレは崩れ落ちるように地に落ちるが、ハイネは瞬時にその下に移動し、ソレを優しく受け止める。 「女性だったとはな……白魔法…『レストレイション』」
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