第3章『使い魔の意義』

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「…だろう?なら早く契約をしてくれないか?こうずっと手を握られていたら暑いんだが…」 「は、はい!…では 我ここに汝を我と等しい存在と認め、契りを交わさん!…『契約』!!」 リューディアの詠唱の終わりと共に優しい白い光が二人を包み込む。 「…等契約完了です」 そっとハイネの右手を離しながらそう言ったリューディアは純白に幾つかの黒いラインと剣の模様が描かれた鎧を纏い、微笑んでいた。 「…よし、じゃあ俺は戻るから、リューディアは…そうだな…《フェアリーテイル》として出てきてくれ」 《フェアリーテイル》とは上級、Aランクに位置する尻尾の先に白い炎を灯すサラマンダーの変異種だ。 勿論リューディア自身のランクはSランクオーバー程あるので変身は簡単という訳だ。 「分かりました。では後で」 「ああ……。」 ハイネは返事を返すとゆっくり目を閉じ、空間から姿を消した。 「ハイネ…貴方の魂はヒトの持つ魂ではない……貴方は何を……」 リューディアはハイネが消えた後もぶつぶつと呟いていたが、直ぐにその思考は後回しにして、白い蜥蜴(サラマンダー)に変身した。その体長はハイネの頭に乗る程度だ。 そして彼女もハイネを追うように空間から消えた。
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