第3章『使い魔の意義』

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(確かあの空間では時間は止まっている筈…) ハイネはゆっくりと目を開きながら思考を巡らせ、辺りを見回す。 どうやらよほど凄まじい光だったようで、数人の生徒は未だ目を閉じ、後の生徒の視線はハイネに釘付けになっている。 《マスター、此処ではそう呼べばいいんだね?》 「はい。そう呼んで下さい。私も貴女はリューと呼びますから」 ハイネはいつもの口調で会話をしながらリューディアと念話(召喚主と召喚者の思念での会話。盗聴などは不可能)で話す。 (口調は指摘するな。リューディアも口調は変えろよ。あと敬語はこの先ずっと禁止だ) (……わかったわ。あ、この姿での能力は身体の大きさを変えることと光属性法術を使えることだから) 二人が交わしたのはそんな会話で、時間にして数秒だった。 「さて、戻りましょう」 ハイネはそう呟いて召喚陣から離れ、ミーシャ達の元へ戻った。 「フェアリーテイルか…変異種とは流石ハイネだな」 ミーシャは戻ってきたハイネに先ずそう声をかけ、アルとラルフ、フィンがハイネの直ぐ後に召喚に向かった事を伝えた。 いつの間にか生徒はハイネから目を離し、自身が呼び出した召喚者と戯れていた。ざわざわしなかったのは流石Sクラスと言うところか、レーナとルーカスを除けば、召喚時の光の強さに疑念は抱いたものの、誰もハイネが呼び出した使い魔に疑問はもっていなかった。
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