第3章『使い魔の意義』

17/21

3362人が本棚に入れています
本棚に追加
/202ページ
ハイネは視線をスルーして訓練所の扉を開く。 「…満室…?」 訓練所には個別に数個の部屋があり、中は拡大の魔法陣によってかなりの広さを誇っている。 そして各部屋に繋がるドアには全て使用中の文字。 「…仕方ない…帰るか…」 フィンは残念そうな顔をして訓練所を出ようとするが、扉が開く音に凄まじい勢いで振り返る。 「あら?新入生かしら…?」 中から姿を現したのは蒼い髪を頭の後ろで折り畳むように纏め、黒縁のメガネを掛けた女性だ。 「はい。 三年のサキ先輩ですよね!?」 フィンは凄く興奮した様子で女性にキラキラした目を向ける。 「えぇ…そうだけど、私、貴方に会ったことあるかしら?」 女性、フィンがサキと呼んだ彼女は頷くが、フィンに覚えがないようで顎に手を当てて首を傾げている。 「…三年生最強の二人組の一人。生徒会長にして学園最強とも言われている…」 そう呟いたのはミーシャ。そんなミーシャにサキは微笑むと 「私も有名?になったのね~」 おっとりとした口調でそう言った。 「それより先輩も特訓ですか!?」 「えぇ。一応…特訓…ですね。はい」 そんなサキの言葉が気になったラルフとアルは開かれたままの扉の奥をのぞき込む。
/202ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3362人が本棚に入れています
本棚に追加