第3章『使い魔の意義』

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その頃ハイネは、吹き飛ばされ、軽く痙攣している男の側に立ち、延々と脇腹を蹴っていた。 「………」 ガスガスガスガスガスガス…… ガスガス… 「しつこい!?明らかにやりすぎですサキさん!!?」 十数回蹴った辺りで男は飛び起き、ハイネを睨む。 「…ってあれ?サキさんじゃねぇ…? てか下級生のクセに何先輩蹴ってんだよコラ」 男は思いの外効いていたのか蹴られていた脇腹をさすりながら言い、ハイネはそれを見てクスクス笑いながら俯いた。 「お前何笑って……」 「随分偉くなったなァ?…3rd(サード)?」 男は急に笑い出したハイネに怒鳴ろうとするが、ハイネの言葉に固まった…。 「まさか俺を忘れた…なんてことはないよなァ?」 顔を上げたハイネの目は銀に変わり、さながら修羅のような顔をしていた。 「あ、ああああ…アンタは…ま…まままさか…」 男はハイネを指差しながら口をパクパクさせながら言い、ハイネは笑顔を顔に貼り付けたまま男に近づく。 「し…ししょ……ムガッ…!?」
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