第3章『使い魔の意義』

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「貴方はハイネ…くんね…?」 ハイネがディックを服従させたあと、たわいもない話しを暫く続けていたが、サキが突然ハイネに問い掛ける。 「はい。そうですが?」 「私が放った『風掌底』は打点の周りにも風を発生させるものよ…あの突風の中を貴方はどうやってあんな簡単に歩けたの?」 「私の魔術属性は闇ですから、魔力を薄く纏えば闇の吸収が働いてくれるのです」 サキの問いに何でもないといった風にハイネは答えるが、一同は驚愕する。 「ハイネ!お前、どこかの王族か何かか!?高等部一年で肉体強化使える奴なんて王族くらいだぞ!?」 ラルフはハイネに詰め寄って問い掛けるが、ハイネは微笑むと 「肉体強化ではありません。ただ魔力を出しただけです。闇の魔力は特殊ですから」 ハイネはそう言うときびすを返し、用を思い出しましたから今日はここで、と言って訓練所を後にした。 「な~んかハイネって不思議な奴だよな~」 「謎が多いんだ」 ハイネが去った後、ラルフがそう言ってミーシャも同意する。 「……さて、僕らも戻ろう。特訓はいつでもできるしね」 アルの一言に全員は同意し、サキとディックも訓練所を後にした。
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